■はじめてのおさん その6

分娩台の足のせ台に足をのせてヒザをひらくと足がつりそう。。いや、つった!足つってるのにおかまいなしに「ちょっとお手伝いしますからねー」とぷちっと麻酔(またにです)。痛いじゃねーか、あっ切るのか!ひぇ〜
気がつくと、分娩台に乗るときに使った踏み台に先生が立っています。最初は「指示する役」かと思ったんですけどね、見渡す役。でも「押す役」でした。お腹を上から押すのです。

あたしは出す人

「カップ小ね〜」漏斗みたいなものが用意されました。吸引分娩になるんですね。先生は「エスカップ〜♪」とか言ってます。思ったより小さいものだな。どたばたと吸引する機械が調子悪くて取り替えられました、「そうそうこれこの間だめだった」いやん、替えといてよね。あたしは「ぐぁ〜」となっているけれど、足の間からいろんなものがめずらしくて見ていた。

四時の方向に切られ、陣痛がきたら二回深呼吸していきみます!そしてカップをねじこみ吸引!そしてお腹をぎゅうぎゅう押す!
「んぎっんぎぎぎぎぎー!!」(いきみ)
「ズボッズゴゴゴゴゴゴズゴゴゴゴゴゴゴゴ!ズゴゴゴゴゴゴ!」(吸引音)
「スポーン!」(はずれちゃった)
もう一回!
「んぎっんぎっんぎぎぎぎー!!」(いきみ)
「ズボッズゴゴゴゴゴゴズゴゴゴゴゴゴゴゴ!ズゴゴゴゴゴゴ!」(吸引音)
「スポーン!」(はずれちゃった)
はーはーはーはー
「おへそあたりを見て、目は開けててね、がんばってー、上手ですよー、ヒザひらいてねー」
「はー、いきんでいいですかー」
「陣痛きたらいいよ!」
「んぎーー!」
またスポーンと吸引のカップが赤ちゃんの頭からはずれちゃいました。血がとびちる。
いちいち先生はうしろにひっくり返りそうです。スゴイ引いてるんだな。スゴイ音するし、オットは外でビックリしているだろうな。さらにお腹もものすごい力で上から押されてます。うーん、なんだか大変。先生汗びっちょり。あたしもだけど。


最初、目をつぶって顔に力をいれてしまった、多分これでは出ないんだな、顔にぐーっと血が集まる感じがして気がつきました。あとで顔に点々と内出血してたし(けっこうびっくり)。 「いや〜ちょっと大変だけど赤ちゃんの心音は元気だから安心だね。」それはよかった〜。むぎ〜!下がってきてるとかどうとか全然分かんないんだけど、どうなんだろう。いきみかたってこれでいいのかな、こんなに力を入れたのって初めてだ。あたりまえか。んぎぎぎ〜!!はーはーはーしかし出ない。


「導尿してみましょう」すこしでも赤ちゃんの通れるスペースを作るために管を入れて尿を出しました。「ちょぼぼぼぼぼぼぼ」「お〜さわやかな川のせせらぎ」「先生やめて下さいよ〜どうにか音がしないように気をつけてるのに〜」「膀胱体操、膀胱体操」先生はふざけてリラックスさせようとしてるみたいです。ははは。あとでオットに言おう。と思っていました。


で、さらに何回かいきみ&吸引&お腹押し(お腹押しはクリステレル法というたいそうな名前がついている)「もっといきんで!もっと!もっと!」(このあたしがちから一杯にいきんでいるというのに、もっと?もっとですって??)「んぎぎぎ〜!!ぷぎっっ!」「スポーン!」「赤ちゃんの心拍落ちてきてるかな?酸素つけよう、鼻から息してね」鼻に管が入りました。今日は鼻つまってなくてよかった!!


「もう1ヶ所切るね!」ぢょきっ八時の方向に出口を切られました。「鼻で息してね」あーたいへん、なんとかして無事に出さなくちゃー。無事に出さなくちゃー。「んぎぎぎ〜!!ぷぎっっ!」「スポン!」すごくもうちょっとのところではずれてしまったらしく、もう陣痛関係なしに「いきんで!」いきんで引っぱってお腹押して「んぎぎぎー!」実際もう陣痛も良く分からなくなっていましたが「もっと!もっと!」ああー立ち会い分娩じゃなくてよかった、オットがいたら逆にこんなに必死な力を込められないかも〜タスケテ〜と思ってしまうから〜、んぎ〜!!!


びたんびたんびたん


なにかモモにびたびたあたる感触です。出たのか。
ひゃー出たー!へその緒がモモにびたびた当たっていました。
出たぞ!

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