■はじめてのおさん その8

赤ちゃんは分娩室のそとにいるお父さんにご対面です。待ちくたびれたでしょー。なんかしゃべってるのが聞こえるよ。


その間にあたしは切ったとこを縫ってもらいます。たぶん、切ったところさらに裂けているとおもわれる。絶対そうだ。きっとたくさん縫うんだ。二ヶ所切ったから二ヶ所縫うんだ。うぉ〜。こわい〜。先生は汗びっしょり、とりあえずタオルでぐいっと顔を拭いて準備してます。お腹を押してくれてた先生は分娩室を出て行きました、ああ〜ありがとうございました〜。時間外でしたよね〜。あたしはそのとき気がついていなかったけど難産だったようで「いやー、たくさん人がいる時間でよかったねー」とのことです。お産が立て込んでいるときだったらこんなに先生2人に面倒見てもらえなかったわけですね。
出て行った先生が戻ってきて「これからは具合悪いときはちゃんと言わないとだめよ」「あ、はい〜」?オットとなに話してきたんだろう。貧血検査をばっくれようとしたことかな。。。。


さ、縫います。なんであんなに黒くて太い糸で縫うのでしょう。革の財布でも縫うような糸。チク、ギーッ。チク、ギーッ。痛くないけど、肉を糸がしごく感覚が。。。ギーッギーッキュッ、チョッキン。ひっひとはりごとに結んで糸切るんですね。お腹の上で両手をがっちり握って耐えます。こうゆうのとっても苦手なんだよね。おっ、おなかへっこんでる。ぺったんこだ。あたりまえだー、出たんだもんねー。…まだ縫ってる。二ヶ所だから(あー、終わったかな)と思ってガッカリしないように、ちゃんと右と左が済むくらいまでは気を抜かないように、、と思ってガチガチに固まって耐えてました。「さてと…」(あっ、もしかして左右終わりましたね??ホッ…)「さー、内側縫えたからね〜、あとは外側縫うだけだよ〜」がーん。まだ半分か。すごく縫ったのに。。結局糸を普通は1パックのところ2パック使って、縫い終わりました。先生は途中で三回くらい汗拭いたね。
「ちょっといいかしら、あら、すっごい固まっちゃってるねー。すごいがんばっったもんねー」とあたしの腕をさわって助産師さんが。いいえ、縫ってたから固まってるんです。。。ふぅ、やっとホッとしていいのね。。。


体をタオルで拭いてもらって、新しい寝間着に着替え、下半身にはものすっごい当て物。ザブトンの半分くらいのものをあててくれました。それくらい出血することもあるってことか、コワイね。で、腰巻き巻いてタオルケットをかけてくれた。
徐々に分娩室は片付けられ、徐々に人は減って行き、助産師さんが一人になりました。廊下で先生とオットが話してる。先に帰った先生が小児科の先生を呼んでくれて、早速赤ちゃんをみてもらっていたようです。
助産師さんは一人で後片付け。けっこうあたり血だらけです。ほんとに大変なおしごとですね。何回も言うけど。


すっかり片付いたところで、オットとコドモが分娩室にきました。「おお〜」おつかれ〜あなたもおつかれ、あたしもおつかれ、コドモもおつかれ〜、はらこさんもおつかれ〜(助産師さん)。
あたしはなにやら興奮してぺらぺらとしゃべりました。なにしゃべったんだっけ。とにかくオットが言うこともちゃんと聞かないでぺらぺらしゃべっていたみたい。当たり前だけど陣痛中にあまりにも無口になっていたから(あー、またしゃべるようになっててよかった〜)って思ったらしい。ここで分娩台にのっかったまま2時間様子見て休憩。赤ちゃんと並んで休憩。ふやけてる。そりゃー10ヶ月も水中にいたんだもんね。
はらこさんに手伝ってもらってオッパイをあげてみた。ちょっとくわえてくれました。おなかの中にいるのと、おなかにのっけるのは全然違うねー。


無事に2時間経過。分娩台を降りて、車イスで病室まで移動します。立ってみてわかったけど思っていた以上にフラフラでした。疲労と貧血となんだろ、バランスも違うからかな。赤ちゃんは新生児室に。オットは家に帰ります。おつかれさまー。またあしたねー。まめをよろしくねー。ありがとねー。
トイレに行きたい感が麻痺してるので意識して行って下さいね。と言われ、付き添ってもらって夜中にトイレに歩いて行きました。やっぱりフラフラ。トイレに入ると縫ったところは針金で縫われでもしたような感触!ナイトメアビフォアクリスマスの縫い目の女の子になった気分でした。。。あぅ、そのショックでさらにフラフラ。ちょっと痛いし。。
今日は産後の人が入る病室が満室だそうで普通の病室に入りました。明日移動できるって。さっ、お薬を飲んでおやすみなさい。ずーっと聞いていた赤ちゃんの心音がまだ聞こえている感じでした。
明日から汗だくの入院生活がはじまるのさっ

おしまい

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